会長メッセージ

Japan

「社会のニーズに応えると共に、
 社会をリードする地域経営学会」を目指して

地域経営学会長  
藤  永   弘

地域経営学会長 遠藤哲也

 地域経営学会は、2014年11月16日に青森県大鰐町において「地域経営学会発起人会」および「第1回地域経営学会理事会」を開催し、日本で最初の「地域経営学に関する専門的研究学会」として設立され、スタートしました。初代会長に遠藤哲哉先生を選出しました。遠藤哲哉先生は、自治研修所での人材育成、大学での自治体経営の研究・教育・社会貢献のキャリアを活かして、「地域経営学会創設期」の基礎を築いていただきました。私は、遠藤哲哉先生の築かれた地域経営学会の創設期の基礎を踏まえて、新たな時代の「社会のニーズに応えると共に、社会をリードする地域経営学会」を目指して、学会員と共に「地域経営学に関する専門的研究学会」としての社会的使命を果たしていくことにします。

 私が日本最初の「地域経営学会」の創立を考えたのは、①札幌学院大学時代に日本最初の地域経営学に関する社会人大学院「地域社会マネジメント研究科―地域を創る・社会を創る・人を創る―」(昼夜開講)の大学院開学委員になると共に、同大学院で「地域社会経営論」、「地域社会会計論」、「自治体会計論」、「地域社会管理会計論」などの地域経営学に関する研究・教育を担ったこと、②日本学術会議経営学委員会で、「経営学の研究・教育のあり方分科会」、「会計学の研究・教育のあり方分科会―国際化と社会化―」、「経営学の参照基準検討分科会」の委員長を務めた後に、「地域経営学の研究・教育のあり方検討分科会」の創設を提案し分科会委員長なったことなどから、「地域経営学の専門的研究」を行う「地域経営学会」と「地域経営未来総合研究所」の創立を考えました。

 「地域経営学会の創立」に当たっては、青森公立大学で「自治体経営の研究と教育」と共に、地域社会の現場で「地域活性化」に取り組んでおられる遠藤哲哉先生に相談し、地域経営学会の創立に向けての調査・検討・準備を行い、賛同者の協力を得て、本州最北端の地、「青い森・青森」から、地域経営学会の活動をスタートさせることが出来ました。

 地域経営学の定義については、私は「地域経営学とは、精神的・経済的に自立した(自律を含む)持続可能な地域社会の創生を地域経営理念として、地域住民の幸福な生活の視点から、地域社会を構成する各種利害関係者(ステークホルダー)と連携・協働して、有形・無形の地域特性、地域資源を活かした地域価値の創造のための課題設定とその課題解決を図る科学的知識の体系である」と考えています。

 地域経営学の研究対象である地域社会は、必ずしも行政区域に限定されませんが、日本の行政区である区市町村(指定都市・特別区を含む)の数は、2018(平成30)年10月1日現在、1,741区市町村あります。各々の地域は、地域住民が営々と創り上げてきた地域の特有な歴史・文化・芸術等を有する地域社会であり、豊かな有形・無形の地域特性、地域資源を有しております。したがって、地域経営学は有形・無形の地域特性、地域資源を活かした地域価値の創造のための地域経営学であるとするなら、日本には「1,741の地域経営」が存在するとも言えます。

 地域経営学会では、先ず、地域経営学の原点である「日本の地域社会の経営の歴史から学び」、「現在の地域社会の経営の実態を直視し」、「新しい時代の持続可能な地域社会の経営のあり方」を、個人研究、研究課題別研究プロジェクト、特別研究委員会等の最も効果的な方法で調査・研究を行い、地域経営学会誌・ニュース・レター(会報)、著書(単著・編著を含む)等の方法で社会に対して公表すると共に、地域創生・地方創生に対する調査・研究を行い、実現可能な提言を行っていきたいと考えています。このような地域経営学の研究成果の実績と蓄積の上に立って、初めてグローバル化時代に相応しい「地域経営学の研究・教育・社会貢献等に関する国際交流」を行っていくことにします。

 中国の武漢を発生源とする「新型コロナウイルス感染症」のパンデミック(世界的大流行)は、「世界の政治・経済・社会・産業・教育・経営・貿易等のシステム」、「国の政治・経済・社会・産業・教育・経営・貿易等のシステム」、「地域の政治・経済・産業・教育・経営・貿易等のシステム」のデジタル化を含めた改革・再構築が求められています。同時に、新たな時代の「新しい生活様式」「新しい働き方」、「新しいコミュニケーション・スタイル」等への改革が求められています。
地域経営学会においても「地域経営学会としての基本的な研究目的・社会的使命」は変わりませんが、「社会のニーズに応えると共に、社会をリードする地域経営学会」としては、新しい地域社会の創造に向けての調査・研究と実現可能な提言が求められます。同時に、「アフターコロナ、ウィズコロナ時代」、「デジタル化時代」における各種技術・技法を取り込んだ地域経営学会の開催、研究会の開催と共に、調査・研究方法、研究成果の社会への公開・公表方法等の改革が必要になります。

 地域経営学会は、現在、北海道支部、東北支部、関東支部の3支部構成で、連携・協働して学会活動を行っていますが、関西の会員、四国の会員等もいますので、全国的な会員の増大を図り、新たな支部をも創設して、全国的な地域経営学会を目指していくことにします。引き続き関係者、関係機関のご指導・ご教示をお願いします。